Anthem for Doomed Youth - Wilfred Owen

Gun team works together

「死すべき定めの若者のための賛歌」 - ウィルフレッド・オーエン

 ウィルフレッド・オーエンといえばこの詩、というイメージ。ぶっちゃけると、これ以外は全然知らない!(殴

 本館に掲載している拙作「コール・オブ・クルセイド」の中では、直接的には触れられていないものの、この詩をにおわせる台詞が出てきますので。別棟でも触れておこうかと思います。

 ここをクリックで音声を再生します。


和訳 原文(English)
畜牛のように死んでいった者の為に鳴る鐘は、どんなものかだって?
What passing-bells for these who die as cattle?
そりゃ、銃のあげる頸烈な怒りしかないさ。
Only the monstrous anger of the guns.
どもるライフル銃が忙しなくガタガタ鳴る音だけが
Only the stuttering rifles' rapid rattle
彼らの拙速な祈りを早口に代弁する。
Can patter out their hasty orisons.
彼らを嘲る者はいないさ; そして彼らの為に祈る鐘もありゃしないし、
No mockeries for them; no prayers nor bells,
聖歌隊の他にゃ悼む声もありゃしない、――
Nor any voice of mourning save the choirs,―
金切り声が上がる、発狂した聖歌隊は固まって泣き叫ぶ;
The shrill, demented choirs of wailing shells;
そしてラッパは彼らに、悲しみの地から呼びかけた。
And bugles calling for them from sad shires.
和訳 原文(English)
彼らを急かすためには、どんな蝋燭を掲げるべきだろう?
What candles may be held to speed them all?
交わす握手の中にそれはない、だが彼らの目には
Not in the hands of boys, but in their eyes
今生の別れを告げる聖なる輝きが宿るだろう。
Shall shine the holy glimmers of goodbyes.
少女たちの青ざめた額は、彼らの棺を蓋う幕となる;
The pallor of girls' brows shall be their pall;
彼らを飾る花は忍耐強い心の優しさ、
Their flowers the tenderness of patient minds,
そしてそれぞれにゆっくりと、黄昏が降りてきた
And each slow dusk a drawing-down of blinds.

※補足

セミコロン「;」について:
 日本語にはない記述方法ですが、こいつすごい便利なんでそのまま和訳にも流用してます。慣れないうちは違和感あるだろうけど、セミコロンに慣れてね。

彼らを急かすためには~:
若者たちが死に急ぐよう仕向ける、っていう皮肉だと思う。

黄昏が降りてきた:
 「黄昏」=「dusk」は、この詩では「今際」を意味すると思われます。死の瞬間が刻一刻と迫っている、ってなとこでしょう。

個人的雑感:
 軽く読む分には「君死にたまふことなかれ」と似た感じではあるものの。本当にそうなのだろうか?とも思う。
 戦争なんかで若く死ぬことは、現代人から見ればとても悲しいこと。けれども、当時はどうだったのだろう。
 戦地に赴き祖国の為に戦い、祖国の為に散って、そして祖国の旗を被されて埋葬されること。死は悲しいだろう。だがあの時代には、それが誉であったのかもしれないし、散った人々の中にはそう信じた人もいただろう。
 そのことを、忘れてはいけないと思う。彼らは祖国の為に戦い、祖国に住まう家族や恋人たちを守るために戦ったのだから。良いとか悪いとかは、ここでは言わない。ただ、その事実を忘れてはいけないとだけ言う。


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