神ノ禍 B源泉の回顧

神ノ禍 - 源泉の回顧 -



今とは、過去が積み重なって出来ている賜物だ。
故に、過去というのは良くも悪くも付いて回る。
そしてどうあがこうが、幾ら切り離そうが、決して切り離せない、厄介な代物だ。
だからこそ、俺は全てにケリを付ける。
過去に戻れないのなら、過去を切り離せないのなら、付き纏うその過去を……―――

【断章 贖いの水龍、罪を繕う】


【第十章 湖の白烏】

あれは絶対に、リスタが企てた事件じゃない。
俺は絶対に、そうだと信じてる。
アイツに限って、あんなことを自分からするわけがない。
シエングランゲラあたりの誰かに、脅されたに決まっている。
けれども、裏を調べようにもケリスが邪魔だ。
あのクソジジィを、まずはどうにかしなければ。

――――ディダンの手帳 より

【第十一章 猛獣の覚悟】

近頃、イゼルナさまとパヴァルの動きがおかしい。
というのも、イゼルナさまのほうからパヴァルに接触を図ってるのだ。
それにパヴァルは、なにやらシエングランゲラを追っている。
やはり、黒幕はシエングランゲラなのか?
……けれども、攻めるにはまだ証拠が足りない。

――――ディダンの手帳 より

【第十二章 山犬の咆哮】

何を隠しているのかと、パヴァルに鎌を掛けてみた。
案の定、奴は話をはぐらかしたうえで、釘を刺してきた。
あまり首を突っ込みすぎるな、と。
やはり奴は、何かを隠している。
黒幕はシエングランゲラだと思っていたが、
パヴァルであるという線も浮上してきた。

――――ディダンの手帳 より

【第十三章 忌み子】

リスタの様子が、近頃あまり芳しくない。
継承ノ儀以来、リスタは杖をついて歩いているが、
最近はその足取りも覚束ないように見える。
なにより顔色が悪い。薬が尽きたのだろうか。
もし仮に、あの薬が尽きたのだとすれば、
リスタの体が限界を迎えるのも時間の問題だろう。
早急に手を打たねば、取り返しのつかない事態になる。

――――ディダンの手帳 より

【第十四章 回る天に、慟き哭け】

分かったよ、全部。
待っててくれ、今助けに行くから。

――――ディダンの手帳 より