まず初めに。
超長編SFシリーズ「空中要塞アルストグラン」は、フィクションです。
実在する組織/国家などとは、一切関係がございません。
現実と虚構の物語を混同しないよう、何卒よろしくお願いいたします。
簡易年表。
- 2014年: 「翠玉のフォノグラフ/上」
――中東で核戦争勃発。
――アラビア半島を中心に北東アフリカ、東欧、西アジアまでが汚染され、死の大地に。
- 2024年: 「異説:オラクル」
――陸の孤島アメリカにて、CIAが不穏な動きを見せ始める。
――そしてこの年に、白狼と黒狼という存在が初めて確認された。
- 2250〜2380年代:
――この間に複数の民族、ひとつの言語が完全に消滅。
――20世紀後期から続く紛争、自然淘汰など、原因や理由は様々。
――しかし後世ではすべての記録が抹消されており、なかったことのようにされている。
- 26世紀後期〜27世紀前期:
――この間に、上述の記録が抹消されたとされている。
――40世紀以降の考古学者は、主にこの期間に失われた記録の復刻を急務としている。
― この間は、さほど重要ではないので省略 ―
- 32世紀後期〜35世紀前期:
――後に「人類の黄金時代」と評される時代が到来。
――「水瓶座が人々の心を支配する、情報飛び交う風の時代。
―― 科学は随分と進歩を遂げ、文明はそれ以上の無い最高点に到達したと言われてるわ。
―― 人々には豊かで寛容な心を、機械には独自の知性を、大地には緑を、海には青を。
―― 空を行き交う乗り物、高層ビルが立ち並ぶ街、他の惑星に移住した人々、可愛らしい動物たち。
―― 西暦四一六二年に起きた世界大戦により終わりを告げた、旧世界の美しい姿……」
――……という「ヒューマンエラー」内のレヴィンの台詞のとおり、素晴らしい世界だったらしい?
- 35世紀後期〜40世紀前期:
――これといった進歩も戦争もなく、横ばい状態が続く。
- 40世紀後期〜41世紀前期:
――どうにかこうにか守ってきた天然資源が、次々と枯渇していく。
――横ばい状態が終わり、緩やかな衰退へと向かっていく。
- 42世紀前期:
――急速に生活水準が低下。
――一時、生活水準は全世界で19世紀後期レベルまでに低迷する。
- 4162年:
――不景気から、世界各地で高利貸しが横行。
――些細な暴動が各地で多く報道され、政界にも怨恨の影は進出。
――やがて世界各国の怒りの矛先は全て、黒幕である北米大陸に集中。宣戦布告が相次ぐ。
――その為、北米合衆国政府は先手を打つ。同盟国以外の国を容赦なく攻撃し、灰燼に帰した。
――攻撃により、大多数の国では中央政府が崩壊しデフォルト状態に。以後43世紀まで混乱が続く。
――この事件は後の世に「世界大戦」「人類を終わらせるための戦争」と呼ばれるようになる。
- 4170年代:
――先の大戦を逃れ、残った国は一握りの島国だけ。
――ユーラシア大陸、アフリカ大陸、南米は紛争が勃発。血で血を洗う惨劇に発展。
――これにより、大都市の多くが廃墟と化す。
- 4198〜4202年:
――西欧〜北欧にかけて、大戦が開幕する。後に「欧州大戦」と呼ばれる。
――大戦は終わりを見せず、長期化。見かねた北米とオーストラリアの連合が鎮圧の名の下に参戦。
――4162年と同等の悲劇が繰り返されることになる。
――空軍特殊作戦部隊のバーソロミュー・ブラッドフォード大佐は、部隊の大戦参加を拒否する声明を大々的に公表。
――この一件で、若き英傑バーソロミュー・ブラッドフォードは国内で名を上げることとなる。
- 4203年:
――国民の間で欧州大戦への不満が募っていたこともあり、北米合衆国のあちこちで独立運動が盛んに。
――その中で唯一、マサチューセッツ州が独立を果たし、アルフテニアランド自治国と名を改める。
――このころ北米とオーストラリアだけ、生活レベルは20世紀半ばごろまで回復。
――「世界大戦」「欧州大戦」ともに我関せずの態度を貫き続けたポリネシア地域および東洋諸国のみ、22世紀初頭のレベルをキープし続けていた。
- 4217年: 「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」
――大戦のダメージを受けていない日本が主導となり、戦乱が収まった地域からライフラインの復旧が始まる。
――このころ北米とオーストラリアだけ、生活レベルが1970年代ごろまで回復。
――なお、この年にブリジット・エローラとペルモンド・バルロッツィが初めて出会う。
- 4220年: 「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」「翠玉のフォノグラフ」
――アバロセレンが発見される。
- 4226年: 「ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ」「翠玉のフォノグラフ」
――ブリジット・エローラ&ペルモンド・バルロッツィが結婚。
- 4230年: 「翠玉のフォノグラフ」
――エリーヌが誕生。それと共に、ブリジット・エローラが命を落とす。
- 4233年: 「翠玉のフォノグラフ」
――後に「アルフテニアランドの悲劇」と呼ばれる事故が起こる。
- 4234年: 「翠玉のフォノグラフ」
――アルストグランが建国され、空中都市となる。
- 4245年: 「ヒューマン・エラー」「翠玉のフォノグラフ」
――国営のアバロセレン工学研究所「サンレイズ研究所」が白昼堂々、消滅する。
――このころ北米とオーストラリアだけ、生活レベルが2000年代ごろまで回復。
- 4261年: 「EQPのセオリー」
――アレクサンダー・コルトという少女が姿を消す。
――その直後に、ユンとユニという名の双子と、その保護者である夫妻も失踪。
――失踪の翌年、バラバラにされた夫妻の遺体が発見されるも、双子は行方不明のままである。
- 4271年: 「ディープ・スロート//スローター」
――"Redrum"と名乗る犯人による、凶悪事件が四件発生。
――その犯行の異常性から、世間の注目を集める。しかし、事件は未解決のまま闇に葬られることに。
――同時期に、連邦捜査局シドニー支局長を10年勤め上げたノエミ・セディージョが、大統領により電撃解任。
――大統領に対するブーイングが殺到し、翌年に大統領は弾劾が決議される。
――このころ北米とオーストラリアだけ、生活レベルが2020年代ごろまで回復。以降、この水準は上がることなく横ばいとなる。
- 4277年: 特異点「神ノ禍」
――何らかの理由で、一時的に時が停止。
――しかし、その事実に数名を除いては誰も気付かず、ごく普通の日常が当たり前のように流れていく。
- 4278年:
――「サンレイズ研究所」の一件以降、ながらく姿を消していたペルモンド・バルロッツィが表舞台に戻ってくる。
――情報局ASIが動いたのではないかとまことしやかに囁かれる。
- 4282年:
――「アルフレッド研究所」が設立される。
- 4287年: 神ノ禍 外伝「TRAVELER」
――ペルモンド・バルロッツィが再び姿を消す。同時に、アルフレッド研究所に所属する若き技士の一人も姿を眩ます。
――何者かにより誘拐されたのではないかという説が浮上するも、その噂はあっという間に鎮静された。
- 4289年:
――イザベル・クランツが軍事防衛部門の高位技師官僚に任命される。
- 4289年:
――アルフレッド研究所に所属する、一人の技士が姿を眩ます。
――自ら開いたSODに飛び込んだのでは、という噂がアバロセレン工学界隈に流れる。
- 4290年:
――東洋にて、不穏な動きが見られるようになる。
- 4291年:
――全体未聞の規模の大地震が起き、世界中が揺れる。
――揺れが収まった数分後には未曾有の大津波が各国に押し寄せ、一つの島国を除いた全ての大地は海に呑み込まれていった。
――なお、空中都市となっているアルストグランは難を逃れている。
- 4345年:
――アルストグランにて、相次ぐ人体改造により人々の不妊が深刻化。
――人口が50年前の6分の1にまで減少。
- 45世紀:
――正確な年は判明していないが、この時代にアルストグランから人が消えたと言われている。
――人類は東洋の島国に、僅かに残される形となった。
― 一気に飛んで20億年後 ―
- ???:
――イグレスラッド島、ゲルタグランド洞窟の最奥にて眠っていた四神器のうち、聖杯が暴走を引き起こす。
――ガゼルゼンス、ヤムリシェンド、ラドゥイアゴス、イグリザンドの順に、始のエルフが聖杯から誕生する。
――暫くすると、聖杯の暴走が収まる。
- ???:
――イグレスラッド島での異変を察知した守護竜3柱が動く。
――黒のカミラはエルフという新種族の保護を提案。
――緑のリルフは、新種族の見守りという名の無視を提案。
――赤のベムドは、禍になりかねない新種族の抹殺を提案。
――最終的にカミラの意見が通り、ベムドとリルフはどこかへと飛んでいく。
――以降、聖杯の暴走が再開するまでの長い間、カミラが4柱しか存在しないエルフたちの面倒を見ることに。
――そしてカミラが、始のエルフの名付け親となる。
― ……となり、エールケディスの旅人へと続いていきます。 ―